大阪・関西万博 閉幕しました ~バラバラでいっしょ~


大阪・関西万博 EXPO2025が閉幕しました。
開催前は盛り上がりに欠けたように感じていましたが、開幕後は次第に万博熱が高まり、有終の美を飾りました。
私も夜の部チケットで一度、訪問し、その熱気を直に感じることができました。
閉会式のメッセージは、
「多様でありながら、ひとつ(Diverse, yet One)」
という言葉だったと思います。
今回の万博で体現したように、さまざまな国や文化、考え方の違いを越えて、共に未来をつくっていこうという願いが込められています。
このメッセージを聞いて、私は20年以上前の東本願寺の伝道標語を思い出しました。
それは、
「バラバラでいっしょ」
という言葉です。
真宗大谷派が、平成10年に蓮如上人五百回御遠忌テーマとして展開していました。
当時、私は、他宗派が掲げる標語ですが、とても素晴らしい言葉だと感銘をうけたことを覚えています。
人はそれぞれ違っていてよい。
けれど、その違いのまま、共に生きていける――。
仏教の「共生(ともいき)」の精神が見事に表されています。
現在は、「多様性」や「ダイバーシティ」ということが当然のように言われていますが、仏教の教えに照らして、すでに20年以上前にその本質を見抜いていました。
まさに、万博の閉会式のメッセージ「多様でありながら、ひとつ」と同じ心です。
仏教は、すべての命がそれぞれに尊く、かけがえのない存在だと説きます。
互いを比べるのではなく、支え合い、照らし合って生きる。
あらためて、その姿こそが、「いのちが輝く未来社会」なのだと感じました。
大井龍樹 合掌