昌寿院梅花講だより(教区護持会報50号掲載記事)
梅花講だより 昌寿院寺族 詠範 大井静子
曹洞宗の梅花流詠讃歌は、昭和27年高祖道元禅師七百回忌大恩忌の記念事業の一環として創立されました。梅花流は曹洞宗の詠讃歌の流名で、詠歌と和讃の総称です。曹洞宗のみ教えにそって、お釈迦さま、高祖道元禅師さま、太祖瑩山禅師さまの恩徳を讃嘆してお唱えするものです。
梅花流の名は道元禅師の正法眼蔵「梅華」の巻きや、瑩山禅師の伝光録の中の「梅華」という言葉、そして両祖さまが梅の花を好まれたことにちなんでつけられました。梅は寒苦を経て春に先駆け花をつけ、清香を放つ、人々に愛でられている花です。
詠讃歌を学んでいくと、安らかな気持ちになり、正しい生き方を実感することができます。正しい信仰に目覚め安らぎが得られるように、共通の目標に向かって、楽しく生きるための希望と、生きていることの感謝のこころが沸いてきます。
平成7年に10名の檀家さんにより昌壽院梅花講が発足し、平成九年には観世音菩薩像をお迎えするとともに、昌壽院御詠歌を作成しました。
コロナウイルスの禍でしばらく練習を休止していましたが、毎月一回、熱心に地道に続けています。奉詠大会や、梅花特派講習会、山門施餓鬼、花まつり、地蔵盆、検定会の受検、観音さまの集い、晋山式、霊場での参拝奉詠等、多様な活動を楽しく和やかに、梅花の輪を広げてまいりました。
令和4年度は梅花流創立七十周年を迎え、記念の年にあたり、梅花流発展に寄与したとして宗務所推挙により詠範の表彰及び長年の研鑽により講員六名に年功賞が授与されました。
令和2年度の全国奉詠大会が新型コロナウイルス感染症の影響により中止になって以降、状況が変化したことを受けて、令和五年度の東京大会開催が発表されました。参加できるのを楽しみにしています。
梅花講員の高齢化と生活様式の変化に伴う講員の減少など、私たちを取り巻く環境は深刻な問題を抱えておりますが、助け合い、仲良い暮らしをし、たゆまぬ精進を重ね続けていくことが、悲しみ苦しみを乗り越えて、幸せに繋がることと思います。聞く人の心を癒し、私たちの心を仏さまの心で満たしてくださいます。
御詠歌に興味のある方は、気軽に、ご一緒にお唱えしませんか。お待ちしております。
(昌壽院寺族 詠範 大井静子)