令和7年度 京都府宗務所檀信徒研修会 in 覚王山日泰寺(報告)

令和7年6月10日(火)、梅雨空のもと、「令和7年度 京都府宗務所檀信徒研修会」が開催されました。
今年度は愛知県名古屋市にある覚王山日泰寺が会場となり、第三教区からは43名が、昌寿院からは住職を含め4名が参加いたしました。

日泰寺本堂にて

日泰寺は、釈尊のご遺骨(仏舎利)を奉安するお寺です。特定の宗派に属さず、現在19の仏教宗派の管長が輪番制で3年交代で務める、日本国内で唯一の超宗派寺院として知られています。また、曹洞宗の僧侶を育成する専門道場でもあり、寺の護持運営に大きな役割を果たしています。


本堂では、まず仏祖諷経が厳かに奉詠されました。釈尊の恩徳に思いを馳せ、タイ王国より寄贈されたご本尊の前で、一人ひとり焼香をいたしました。

続いての法話では、日々お唱えする「懺悔(さんげ)」、「三帰依文(さんきえもん)」について、分かりやすくお話しいただきました。
「素直な心で、明るく生きる、やさしく生きる、仲良く生きる」という優しい言葉により解説され、その誓いを繰り返すことの大切さ、そして四つの心のあり方について改めて学ぶ機会となりました。
さらに、あたりまえのように感じている日常のありがたさに気づき、仏さまの前で静かに手を合わせることの大切さ、また「言葉や文字や比べることを一服(ひとやすみ)する」ことこそが合掌の姿であるとの教えが心に深く響きました。

奉安塔にて

研修会の後半では、仏舎利が安置されている奉安塔へ参拝いたしました。
この奉安塔には、1900年(明治33年)、シャム国(現在のタイ王国)より日本へ寄贈された釈尊の仏舎利が安置されています。仏教国同士の友好の証として贈られたこのご縁は、今なお大切に受け継がれています。

この仏舎利は、1898年、イギリス人考古学者ウィリアム・C・ペッペ氏によりインド・ピプラハワ村の仏塔から発見されました。舎利容器には、ブラフミー文字で「釈迦族の人々が奉納した釈迦の仏舎利である」と示す銘文が刻まれており、考古学的にも紀元前3世紀頃の非常に古いものとされています。まさに、お釈迦さまご自身の真の遺骨として、その真正性が高く評価されています。

今回は特別に、普段は入ることのできない奉安塔の前にて焼香の機会を賜りました。仏舎利の前で静かに手を合わせ、世界に広がる仏縁のありがたさに感謝申し上げました。