二月にげる 三月去る 時は人を待たず(令和8年2月)


一月 いく
二月 にげる
三月 去る
人は時を待たず
光陰 虚しくわたることなかれ
光陰 むなしくわたることなかれ
ついこの前、お正月だったと思えば、 もう春の気配です。
あっという間に時間が過ぎていきます。
お経「参同契」の最後の一節に、
『光陰むなしくわたることなかれ』という言葉があります。
「光陰矢のごとし」と言われるように、光陰とは月日、つまり時間のことです。私たちの都合とは関係なく、時は静かに、そして確実に過ぎていきます。
「光陰むなしくわたることなかれ」
この言葉を聞くと、テレビ番組のチコちゃんに「ボーっと生きてんじゃねーよ!」と叱られているような気持ちにもなりますが、これは単に「忙しくしなさい」とか「何かを成し遂げなさい」という意味ではないと思うのです。
今日一日、人の話をきちんと聞けただろうか。
「ありがとう」と口に出して言えただろうか。
静かに手を合わせる時間を持てただろうか。
そんな小さな「今」を大切に生きているか、という問いかけではないでしょうか。
「むなしい」とは、心を向けずに過ごすこと。
大切なものに気づかないまま、ただ時間が過ぎ去ってしまうことです。
今、この時を大切に生きる。
禅では常にそのことが問われますが、私たちはつい、それをおろそかにしてしまいます。
時間をむなしくやり過ごすことなく、今日という一日を丁寧に生きていきたいものです。
昌寿院 大井龍樹 合掌


