曹洞宗のおしえ

 永平寺(福井県永平寺町)を開かれた「道元(どうげん)禅師」と總持寺(神奈川県横浜市)を開かれた「瑩山(けいざん)禅師」のお二人が曹洞宗の宗祖。お二人が開かれた永平寺と總持寺がご本山です。ご本山が二か寺あるのは、珍しいと感じられるかもしれませんが、「両大本山」としてどちらも大切な存在です。

 修行の根本は「坐禅」です。道元禅師は、坐禅の極意を「只管打坐(しかんたざ)…ただひたすらに坐る」という言葉であらわされています。また「修行そのものが、悟りの姿であり、悟りのあらわれである」ということを「修証不二(しゅしょうふに)」と示されました。
 私たちは、「さとりを目指して坐禅修行をする」と考えがちですが、道元禅師は、「坐禅は手段ではない」とおっしゃいます。

○○のために、をいったん忘れる

 私たちは日常生活において、様々な目的をもって、成果を得るために行動しています。道元禅師は、その目的や求める成果にとらわれることなく、まずは目の前の事柄に心血を注ぐ大切さを「只管打坐」と示されました。
 その先に、自らが求めることが得られることもありますし、そうならないこともあります。結果はどうであれ、自身の行いは確かなもので、消えることはありません。

曹洞宗では、坐禅のみならず、日常の暮らしのすべてを「行」ととらえ、専心に行うことが大切だと考え、実践します。

坐禅だけではなく、日常の行いも仏道修行であり、何事も「徹する」ことが大切です。

「今、この瞬間を丁寧に」

 人生においてさまざまな悩みや苦しみが生じます。過ぎ去った過去を引きずり、そしてまだやってこない未来を思い悩むことで、苦しみが生まれるといっても過言ではありません。
 まずは、「今、この瞬間を丁寧に生きる」。道元禅師の教えは皆さんにこのようアドバイスをくださっているように思います。この時、この場所に懸命に向き合うことができれば、すすむ道に光が見えるに違いありません。